イギリスのパブリックスクールに関する本。かなり昔の本で、筆者の池田潔は1920年代ころにイギリスに留学していた。パブリックスクールとは、イギリスの上流階級の子弟が通う私立高校である。全寮制で、規律は厳しい。上流階級の子弟でありながら学校生活は質素・貧乏である。外出が許される休日は一学期に2度だけ。食事も質量どちらから見ても、質素で且つ朝と昼とお茶だけ。晩ご飯はない。毎日強制的にスポーツをさせられる。
パブリックスクールは、お金が無くてこのような生活を強いられているのではなく、あえてこの道を選んでいるのである。
ここで養われる精神はどんなものか。それは、正を正と言う道徳的勇気である。貧しさに耐えることが出来るから、たとえ辛くても正しい事を正しいと言える人間になる。
今の世界の人間は自由になりすぎていると思う。自分の欲に従順すぎると思う。この本を読んでそう思った。是か否かではなく、自分がやりたいかどうかを重視しすぎているではないか。コンビニがこれだけ広まったのもその結果ではないか。スマートフォンが普及しているのもその結果ではないか。
常に100年の利害を冷静に判断し、正しいと思った事は正しいと言えるような人間になりたいと思った。
書名:自由と規律
著者:池田 潔
発行:1949年初版
出版:岩波書店
0 件のコメント:
コメントを投稿